決断してからは、早かった。

アパートを解約して、荷造りをして、とにかく忙しかった。

瞬は、すぐにでも3人で暮らしたいって言ってくれたけど

やっぱり、環境がそれを許してはくれなくて

とりあえず、今は

お互いが出来ることをしよう

そう、約束をした。




「おにいちゃん!おかえり!」

「おう、ただいま」

「おかえり、今日は早かったね?」

「撮影が早めに終わったから。ケーキ買ってきたぞー」

「わーい!」




まだ、一緒には暮らしていないけど

瞬は、あたし達のアパートに帰ってくることが多かった。

とは言っても

さすが芸能人

ほとんどすれ違いで

会えるのは、1週間に1回か2回くらいだった。



「…ん」



触れるだけのキスから、だんだんと深いものへと変わっていく

身を捩ると、それを許さないという風に、瞬が強くあたしを抱きしめた。

耳たぶを甘く噛まれ、瞬の唇が、首筋へと降りていく



「…ちょ、ちょっと、瞬ってば」