Treasure~もう一度、恋~

「俺が、どんな思いで今まで…っ」

「しゅ…ん…」

「お前がいなくなって、探しても探しても見つからなくて。
 忘れたくて、芝居に没頭して、でもやっぱりお前のことが気になって…」

「…っ」

「もう諦めかけてた時に、雑誌にお前を見つけて、
 必死になって調べて…やっと、見つけ出したんだ!」





瞬は、あたしの肩を強く掴んだまま、

苦しそうに言葉を続けた。





「勝手なこと言ってんなよ!…あいつは…陽斗は、
 おまえと俺の子供なんだろ!?」

「…!」




ぽたりと、頬にあたたかいものが落ちてきた。

瞬の、涙だ。



「…やっと、見つけたんだ。」




あたしの肩に、瞬の頭がずしりと乗った。




「そんな風に、突き放すなよ…」




最後は、聞こえないくらい、小さな呟きだった。

少しだけ、その大きな身体が震えている。







あたしは、馬鹿だ

自分だけ、傷ついたふりをして

一番大切な人を傷つけていた



わかっていたのに

今まで、わからないふりをしてたんだ