「有希、話がある」

「ん?洗い物終わってからでもいい?」




有希のアパート。

俺は、いつものように夕飯を作ってもらって、有希は後片付けをしていた。




「ん」

「すぐ終わらせるからね」




ほわんとした笑顔

…癒される、なぁ




キッチンに立つ有希の後姿をぼんやりと見つめる



出逢った頃より、少し伸びた髪をひとつにまとめている。

まっすぐに伸びた背筋は、有希の性格を表していると思う。

意志の強さ、とか





…やべ

柄にもなく緊張してきた

キスは、何度かした。

その、ディープなやつも、受け入れてはくれた。(たぶん)

でも、離れた後の、恥ずかしそうな、ちょっと困ったような表情は

反則というか、余計煽るというか…


でも、有希は計算なんかしてない


だから、一番やっかいなんだ




「瞬くん?」

「わぁっ!!!!!!!」



いつのまにか、至近距離で有希が俺を覗き込んでいた。