Treasure~もう一度、恋~

「はい?」

「お、俺、大河内瞬(おおこうちしゅん)って言います。
 あ、あの…」

「…いつも、そこの席に座ってる方ですよね?」

「え」




彼女を見ると、穏やかな笑みで俺を見つめていた。





「いつも真面目そうになにか見てるから、何見てるのかなって、思ってたんです。」

「あ…」





気づいて、くれていた

その事実に、嬉しくてたまらなくなる。




「その、友達になってくれませんか…?」




ヘタレな言葉に、自分が情けなる。

でも、今の俺には精一杯だった。



彼女は、少しだけ驚いたように目を見張ると

すぐに、にっこりと笑った。




「私でよければ、喜んで」