Treasure~もう一度、恋~

「…聞いたことないな。狙ってるやつは多いけど。
 藤村さん、飲み会はほとんど参加しないし。」

「じゃあ、俺にもチャンスありってことだよな」

「…お前が本気出せば、落とせない女いないんじゃないっすか?」

「なに、その嫌な目つき」

「モテる男って嫌い」

「…俺、頑張るからな!情報サンキュ!!」






そして、今に至る。

いつもの喫茶店

俺は、いつ動き出そうかと、その機会をうかがっていた。






夕暮れ時

窓から差し込む夕日が、彼女を赤く照らしていた。



綺麗、だな



純粋に、そう思った。


俺は

吸い寄せられるように、彼女の元へと歩いていた。






「綺麗、っすね」

「え?」