救急車が来る 。 警察が来る 。 私の声は消えていく 。 それでも叫んだ 。 「龍」 その名前だけを ひたすらに 無我夢中に叫んだ 。 「運ぶから少し離れてください」 隊員が私を退かす 。 抵抗する力も残ってない 。 だけど 名前だけは 呼び続けた 。 君が起きると 、 これは残酷な夢だと 、 一時の苦しみだと 、 信じていた 。