両の手をそっと包んで紡がれたそれは、まるで請うようにも聞こえる響き。




「は、い…っ」




何処までも優しく紡がれたその言葉に、郷御前は一筋の涙をその頬に伝わせると肩を震わせながらそれでも力強く頷いた。




「命尽きたその後は、共に冥土の道を歩もうか」


「はい…っ必ず」




絶対に一人にはしないと、まるでそう誓うように郷御前の額に自らの額を合わせる義経。

郷御前もまた瞳を閉じて義経の体温を感じる。


柔らかな暖かさが二人を包むなか



"どうか最後は貴方様の剣で"



そう彼女は穏やかに微笑んだ。




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