顔を椿の花を添えたように色付かせ恥ずかしそうに首を振る彼女。 その行動こそ義経の思う壺だということに彼女は気付いていない。 いつだって彼女は義経が飽きることのない反応を返してくれるのだ。 そのたびに彼女に込み上げてくる愛しい気持ちは義経だけの秘密である。 「…ちっ」 「な、何で怒っていらっしゃるのですか?」 笑いを必死に堪え、代わりにわかりやすい舌打ちを落とせば今度は慌てたように眉を下げる郷御前。 またしても予想通りの展開に義経はすっと顔を下に向けた。