それが正室として正しいのかどうかはわからない。 それでもこれが郷御前なのだと義経は思っている。 良くできた妻であると、そう思っているのだ。 しかし、物分かりが良すぎるのもそれはそれで面白くないと思うこともある。 「…最近静にかかりきりだったのを怒っているのか?」 だから、こうして意地悪をしたくなってしまうのだ。 「なっ!ち、違います!私は義経様のことを思って…!」 そんなことはないとわかっていながらからかうようにそう言えば、予想通り郷御前は顔を真っ赤にして首を横に振った。