そこは冷たい雰囲気の部屋だった。


「智美さん。残念なお話があります。」

医師と私は息を呑んだ。

「智美さんのご両親はお亡くなりになられました。最善を尽くしたのですが、手遅れでした。申し訳御座いません。」

と深く頭を下げたのだ。

私は何を聞いてるんだ?夢じゃないの?
最初は真面目に疑った。

でもそれは確かに現実だった。

訳も分からず暗い部屋に連れていかれ見せられた遺体。
沢山傷がついていてとてもとても痛々しかった。

その瞬間私は堰を切ったように涙を流した。
もうそれは狂ったかのように。
事実を突きつけられた以上、認めるしか私には術がなかった。