「……勝手すぎるわ…」



 私の呟きは、先生の「席に着けー」の声にかき消された。









 中学三年の今、進学についての時間が増えてきて。

 今の時間も先生との二者面談のため、自習になっている。




「次、立花さんだってー」

 出席番号順に呼ばれ、私の前の席の子が私を呼んだ。
 私は読んでいた本を閉じ、静かに立ち上がる。



「立花さんて確か白河でしょ?」

「うちの学校からは三田君と立花さんくらいだよね?」

「てか、白河の偏差値どんだけだよー!」

「県内一だよな…?それって……」



 その声は、私が教室のドアを閉めるまで聞こえた。