「もしかしてあいつのクラス行ってた?」


 私の様子に気付いた圭子。

 私が頷くと、「ありがとー」と笑顔になった。



 三田君と圭子は幼なじみ。

 同じマンションでお互いの両親もかなり仲がいいのに、何でだろう。


 二人は全く合わない。

 水と油。
 混ざり合うことのない二人。

 よく三田君も圭子を生徒会に入れたと思うわ。



「じゃ、そーゆー事で!」


 チャイムと共に耳にしたのは圭子のセリフ。


“そーゆー事”?


「……圭子、どうゆう事?」

「は? 百合子ってば聞いてなかったの?

 あーっ もう時間ないからまた放課後!放課後になったら分かるからっ」

 遠くから先生が見えた途端、慌てて隣のクラスへ入ってしまった彼女。