「あははっ それがですねー、皇が」


 教室に戻ると、空席のはずの私の席に茶色いふわふわの髪の男の子が座っていた。



「……茂木君。何してるの?」


 呼びかけに、パァーッと効果音が出るような笑顔で私を見た。



「やっと戻ってきた!会長遅いですよぉー」



 二年の彼が堂々と三年のクラスにいるこの状況に、私の頭は追いつかない。

 しかも、女子は可愛いなんて騒いで彼の周りに集まり、男子は男子で特に気にしていないのか普通に帰る用意をしていた。


「先輩何も聞いてないんですか?」

「……とりあえず、先生ももう来るから廊下で待ってて。話は後で聞くわ」


 うちのクラスはHRが終わってない。

「はーい」と返事をして茂木君がクラスから出たのと同時に、先生が教室に入ってきた。