【中島 】
ごめん。千恵…全部知っていたんだろ。

【千恵 】…すみませんわたしはあなたと会ったことがあるんですか?

【中島】


…いえ。
この前始めてあってあなたのこと好きになりました。

【千恵 】え?!ふふふ。
おもしろいこと言う人ですね…わたしに会いに来て好きになったって、どこかであったこともないのに?

【中島 】はい。

【千恵】…へへへ、おもしろい人…
名前聞いてなかったですね

【中島 】中島です。

【千恵】なかじま…なかじま…わたしの幼なじみで同じ名前の人がいたような気もするわ…

【中島】
そうですか!どんな人でしたか?

【千恵】
それが思い出せなくて…
だけどあまりぱっとしない人で…だけど優しい人だったかな…
いつも見守ってくれてすぐに駆けつけてくれて…手が暖かい事と彼の足音だけは思い出せます。わたし、昔から体は弱くて時々倒れたりしちゃって、そしてらすごい勢いで走ってくるんです。その音は思い出せるのに

どうしてですかね?
思い出せなくて…。

【中島 】
その人のこと…好きでしたか?






【千恵】
はい…大好きでした。今どうしてるのか、幸せな家庭を築いて子供もいるかも…ふふふ。
幸せでいてくれたら嬉しいです。

【中島 】
…きっと幸せにしてますよ。

【千恵】
そうですね、長い時間経ちましたから…

【中島】明日も来ます。
明後日も明々後日も…

千恵…さん

【千恵 】どうしてわたしの名前を?

【中島】いえ、僕の好きな人があなたにそっくりで…。

【千恵】そうですか…うまくいくといいですね。

【中島】…はい

【千恵】そう…それじゃあわたしの所にくる理由がないわ

【中島】…

【千恵】どうして泣くんですか?
…男がめそめそしないのー!

【中島 】いえ…ごめんなさい、また来てもいいですか?

【千恵 】ええ



あの…

あなたを見えると幼馴染の男の子を思い出すのよ…小さな男の子




【中島 】…また来ますね!


千恵さんは中島さんのことを思い出すことはなかったけど、毎日2人の会話は子供の頃の話や学校での話、お互いの共通点が多くて千恵さんは中島さんが来るのを楽しみにするようになってくれたらしい…

それから中島さんにもう一度依頼をされた。

彼女に自分との楽しかった思い出を描いて欲しいと

…描けば現実には起こらない
現実に残る時間…

ウチは病院に行って眠る千恵さんに中島さんとの夢を、ウチが描いた夢を、千恵さんの記憶に写しこんだ…全部描いた

全ての思い出を描いた



【千恵 】…

…もう…ばかなんだから…

ねぇ…幸せになってね。


そう言うと千恵さんはまた眠りについた。



どうして千恵さんは言葉を残せたのか、ウチが未熟だからなのか…

…父よ

これが夢写なのか?

千恵さんは幸せに…

しゃむ、ワシらができることはなんだ?千恵さんは悲しい顔してたか?

いや…

中島さんはどうだ?

うん。。。

誰かの人生を大きく変えることは出来ない。
できることをするだけだよ。

うん…

2人とも幸せそうな顔はしていた。毎日一緒にいて…かけ違ったボタンをとって、またかけ直すように…

うっうっうっ…
うわぁぁぁぁ。。。

ウチも泣くわ!!

しゃむ…

!!


父よ…

そろそろ定職についてくれないか?生活ができなくなる…


おーそうかそうか!!



父は今回の依頼のお金はもらわなかったらしい。

父よ…いいとこもあるんやな

おかげで毎日父のとってくる自然の恵みだ…トリ◯か…


…後日

【隣のおじさん 】
おっ!しゃむちゃん!

お父さん昨日スナックで酔いつぶれて大変だったんだよ!

へ??

ふぁい??

…父よ…自分で稼いだんだよな…信じるぞ…。









おはよう


千恵…?!

へへへ、なんだか久しぶりだね。
どこ行ってたの?




千恵…?!

どうしたのよ、手紙読まなかったの?

…読んださ!

【千恵】

もう!こんなに時間たったのね。

【千恵 】
ずっといたの?


うん。

【千恵 】
大好きだよ。

…うん。うん…

【千恵】

…また少し眠くなってきちゃった


うん、あのさ千恵!起きたらさ話もあるんだ!!それにさまた2人で暮らそう!!

【千恵 】
手があったかい…それに…どうしたのそんなに手も顔も真っ黒にして…


もう夏だからね日焼けしちゃったよ

【千恵 】
もう…
昔と変わらないのね
うん一緒に…暮らそうね。
また…ご飯作ってあげるからね。




(ウチの初依頼は中島編 完)