「早く開けろよ! マジ寒いから!!」

ドアをガンガンと叩く音とともに大声で叫ぶ声。私はハッとして玄関に駆け寄り、力一杯ドアを開けた。

そこには、降る雪を背負った、恭介が立っていたのだ。

「どうしたの…?」

驚く私…

だって声さえも聞けず、寂しくて、会いたくて…

「夢じゃないよね…?」

「…夢じゃないから入れてくれよ」

私の感動を遮るように、顔をしかめた恭介がぽつりとそう言ったのだ。