私の夢。それは幼い頃から変わらずに抱いてきた、動物のお医者さん。

あの犬が息を引き取った時、彼は母親が亡くなった時には流さなかった涙をありったけ流していたのだ。

また愛おしい存在が彼のそばから消えた。

私はおせっかいにも、彼のようなそんな人を救える獣医になりたいと、密かに夢を思い描いていたのだ。

そしてそれは、おかしな矛盾を生みながら現実のものとなっていくのだろう。

これから、また新たなスタートラインに立つ。新しい場所で、新しい仲間と共に。

綺麗伸びた髪を、丁寧にとかす。シワひとつないシャツ、きちんと埃を落とした紺のブレザーに、プリーツを整えた短いスカート。

綺麗に晴れた青空は、新しい門出を祝うように、どこまでも続いていた。私はいつものようにローファーを履き、シャンと背筋を伸ばすと、私は家を出た。