私はその日から、自分の恋愛を犠牲にしてでも、償うように彼の話を聞いた。

彼から好きな子ができたと聞かされれば、うまく行くように手伝った。知っている子なら、それとなく情報を提供したり、時にはキューピット役をやったりもした。

彼が幸せになれるなら…

ただそれだけの思いで、私は彼のために働いた。だけど、もう限界でもあった。親友を好きになったと聞かされた時、私の中で何かがプツリと切れた音が聞こえたのだ。

憤りとか、そんなんじゃない。

やっぱり、私は彼を好きだった。だから、親友に思いを寄せている彼を単純に見たくなかったのだ。

私は本当に自分勝手な女なのだ。

彼はきっと思っているはずだ。お前のせいで、俺の未来がつまらないものに変わってしまった、と。

本当は、殺したいくらい憎んでいるかもしれない。

死ぬ勇気もない私にできることと言えば、黙って彼の目の前から消えること…

でもその前に最後の仕事をしなければならない。私にできる、最後の恋のお手伝いだ。それを見届けてから、私は遠くに逃げる。

そのカウントダウンは、もう始まっていた。