………背中に違和感を感じた。
「みお……みおっ…!」
誰かに呼ばれてる…?
次はほっぺたに違和感が。
あぁ、つつかれているんだ…
「みお!!
起きなきゃまずいって!」
だんだんと意識がはっきりしてくる。
…私を呼んでるこの声は亜美だ。
『なにー?まだみおねむいんだけど…』
寝惚けながら亜美に言った。
少しざわめきがあった周りの声が
一気に静まる
『んっ…』
私は重たいまぶたを開けてみたが
眩しさにまた少し目を閉じた。
正面に誰かの背中と椅子。
この時にようやく異変に気付いた。
授業をしていた先生の声が聞こえない、というのと
周りの静寂感に。
ばっ!っと上体を起こすと
目の前で
とてつもない笑顔の先生が、いた。
「ねぇ、長谷川さん?」
『は、はい…?』
「あなた、一度体験してみたらどう?
居眠りしているあなたや
お喋りしているみんなに殺意が芽生える
この感情が、わかるわよ…?』
左手を見てみると、カッターが握られていました。はい。
『…すみませんでした…!』
素早く自分の椅子に正座をし
土下座をしましたよ、はい。
一気に目覚めました!!
「わかればよろしい。」
そう言い残し、再び授業に戻る先生。
…あ。
教材を作るために
カッターを使ってるんだ…
カッターを持っていた理由を理解し、
心拍を整えていると
横から折りたたまれた紙が飛んできた。
紙が飛んできた方に目をやると
亜美が口パクで
"読んで"
と言っている。
先生の様子を見ながら
折りたたまれた紙をひらいていく──
