あたしたち佐倉探検隊

「え…?」

体は痛くない。
泥も少ししかついてない。
目の前には晃太郎の泥のついた顔…。

いったい何が…?

「…晃太郎?」
「ってぇ!!」
「なっ!?ちょっ!?晃太郎大丈夫!?」
「大丈夫なわけないだろ!?このドジ!」

晃太郎は左手で顔の泥を拭ってあたしを怒鳴った。
びくんとするあたし。

こんなに必死になってあたしを助けてくれた晃太郎…初めてみた…。

「ったく!心配しただろ!?」
「ごめん…なさい…」

あたしは晃太郎の顔を見た。
ふいに目があった。

泥のついた顔…
潤んだ茶色い目…
ビショビショになった髪…

どうしてだろう…いつもの晃太郎なのに胸が騒ぐ…。

「…」
「…」

息が止まりそう…。

腰辺りで何が動いた。
そっちに目を移すと晃太郎の右手があった。

一気に熱くなる頬。

「あ…」

晃太郎は手を離した。

あたしは顔を下に向けて「ありがと…」と言った。

「ごめ…」
「いや…」

何か顔を見るのも恥ずかしい…

それより結衣姉を探さないと行けないのに…!

「きゃぁ~!!」

こののほほんとした声は!