その日の放課後。

私は先生に頼まれていた仕事を
終わらせようとしていた。
その時、あの転校生が教室に戻ってきた。
「どーしたの?」
「忘れもん。」
「そっか。」
なーんか素っ気ない会話。
それもそうか。だって多分今、初めて喋ったかも。

「担任に頼まれた仕事?」
「うん。結構多くて....」
「ぅし!じゃー手伝ってやる!」
「ホント!!やった!」

うわ。久々に笑ったかも。
転校生....えっと日比谷くんは私の席の隣
で黙々と仕事を進めてくれた。

やっぱ、整ってるなー。
私に分けて欲しいぐらい。と思いながら
じーっと見ていた。すると

「何?なんかついてる?」
「ううん!いやー、整ってるなーと思って。」
「そう?でもさ、女子って中身が大事とか言うけど、やっぱ顔だよね。」
「そーかな?」
「うん!だからウザいんだよなー!」
えっとー、一応私女子なんですけど。
やっぱウザいって思ってたんじゃん。

そして、家に帰った。
やっぱり頭から離れない。あの横顔、あの呼び方。
「なんでだろ。」

次の日の放課後も日比谷くんがまた、教室に戻ってきた。
そして、仕事を手伝ってくれた。