はぁーあ。疲れた。

私、笹身ミカは彼氏いなさすぎて
人生に疲れました。

「はぁー。」
「そんなにため息ついたら、幸せ逃げちゃうよ」
「もともと、幸せじゃないし。」
この子は私の親友の早瀬友実。
なんでも相談にのってくれる。

ここ最近ため息ばっかり。
そんな時、学校中に転校生が来る
という噂が流れていた。

「転校生だって。」
「ふーん。興味ない。」
「あっそ。」
友実は呆れたように女子の群がっている
所へ行ってしまった。

だって関係ないじゃん。転校生なんて。

そして、次の日のHRで、担任の先生が
転校生を教室に案内して連れてきた。

茶髪で、女子より整った顔立ち。
女子たちが彼を見て歓声をあげた。

先生が
「ちょっとした自己紹介をしてもらおうかな?」
「日比谷 龍です。よろしくお願いします。」

女子たちが彼の声を聞くなり
「キャーッ」
甲高い歓声を送った。

休み時間、女子たちが彼の周りに
群がって、質問攻めにあっている。
彼は爽やかに笑顔で答えている。
その笑顔に周りの女子たちはまた歓声をあげる。

「はぁーなにがいいのかねー。」
「かっこいいじゃん!あの爽やかな笑顔♡♡」
「ふーん。興味ない。」

爽やかな笑顔っていっても裏では、愚痴吐きまくりの悪い男だったりして。
その予想はあっという間に的中した。