「…渚……あんた人の考え読むのやめなさいよ」

「きゃー低血圧の奏ちゃんは朝から機嫌が悪いですね〜」

金井渚。朝のテンションが低い私のテンションをさらに下げる原因。

「うるさいわ」

でも、こいつは学校で唯一本音が話せる相手でもある。
まぁ、つるむのがこいつだけなんだけど。

「いやでも、やっぱ七瀬人気は凄いね〜あんたまた優勝したんだって?日本新記録で?これ以上人気あげてどーすんのよ」

「どうしもしない。てか、人気てか言われても困るし。」

「あらまー冷たいお返事だこと!ファンが泣くわよ〜てか、あなたのその足は一体どこまで速くなるおつもりなのよ〜」

知るかそんなもん。
でもそう。七瀬奏ことこの私は陸上の、高校女子100m競争で日本1である。

そのせいで同じ高校の女子にはきゃーきゃー言われるがそんなん知ったこったゃない。