確かに“親父たちには言わないで”って書いてあったけど、そんなの…おばさんくらいにならっ――…
「頼むからっ!」
「!!」
こんなにも隼人が必死に叫んだのは初めてだった。
少なくとも、あたしの前では。
「…頼む。
俺だって信じたいんだよ、
大翔さん帰って来るって…
けど、もしかしたら
イタズラかもしれないだろ?!
それでお前がまたどんどん
暗くなっていくのは俺も…
周りの皆だって心配すんだよ。
だから、信じて待って“みる”
だけにしてくれ…」
さっきはあんなに強く叫んだのに、最後になると弱々しくなった隼人を、どうしても責められなかった。
これ以上、何もいえなかった。
しばらくの間、あたし達のあいだに沈黙が流れた――

