――あの人からの手紙だった。
「大翔…さん…の、字―だ…」
そう。
大翔の字を知っている人なら誰でも分かるこの大翔のクセ字。
“え”という文字を書くときに、どうしても之という字ソックリになってしまうクセ。
「大翔、もうすぐ…
帰って来てくれ、る、んだって――
ヒック…あたし、
ごめ…立て、無いっ…」
どうしてか、急に体の力がフッと抜けてしまい、そのまま雪で埋め尽くされた地面に座り込んでしまった。
「…っ。
衣子、どうすんの?」
「へ?」
「コレ…信用すんの?」
隼人の言い方的に、さも『これは大翔からじゃない』なんて言ってる様で。
どうして、そんな事。
もちろんそんなの…
「信じるに決まってるじゃない…?」

