記憶

あたしは何故かこのとき、“誰か”になんらかの違和感を感じた。



直感。

ただ、それだけで、あたしはその封筒を怪しまずにサッと開いた。



「おい、ここで開けんの？」

そう、隼人が言った時にはもう…





あたしの目には涙が溜まっていた。




「っ――

…が…手紙…っ―」


「は？」


いきなりのことだったから、隼人を驚かせてしまった。




でもっ、でもっ―…



「…どうしてっ…

　　　大　　翔っ！」



「これ、なんで…」



あたしの手に握られた一通の手紙を隼人も覗いたようで、驚いていた。