テストテスト…

あーあー!!

よし。

…起動

…モード

…ボイスライター

選択っと

……開始します



えっと…

わたしの名前はヒカリ

2032年の今を生きている。

これは未来から残せる日記になる。

わたしが住む時代にはその日の1日を自動で記録することができる。

今は手動で動かしている。

きっと過去に生きた人からはわたしの一日が、まるで本を読んでるかのように感じることだろう。

もし、これを読むことがあるなら未来を変えてほしい。

あと何年かすれば過去を指定してこれを飛ばすこともできる。

四年前に大きな戦争があって、私はまだ中学生だった。

地球の半分は今も何も無い。人口も半分以下になった。

本当に酷かった。当時のテレビやインターネットはすべて遮断されて、わたしたちが見たのは編集されたほんの一部。

言論の争いが続く裏では多くの人の命が奪われていた。

その時に見たもの

それが、わたしにはある。

ラフィアと呼ばれる生命についた羽のようなもの

言葉の裏にあるその人のラフィア

この世界では生き方を誰かに賭けられている。

すべてを自分で決めてるわけじゃない。

四年前もそうだった。

わたしには他人のラフィアが見える。普通は少しずつ変わっていく白い羽のようなもの。

その時、権力を持った人間のラフィアは黒く大きくなっていた。
彼らは戦争を優位に進めたが、お互いのラフィアが黒く大きくなって被害は拡大していった。

白いラフィアはおそらく自分で背負ってる生き方。

黒いラフィアは誰かから買った地位であり、生き方。

ラフィアは買うことが出来る。地位や生き方を変えることができる。

わたしが見た中では
買うことができるのは多くの富を築いたもの

お金だ。

戦争がはじまる一年前に新しい共通の通貨ができた。
ゲインっていう。

彼らは「神」と呼ばれる人たちから黒いラフィアを買う。ゲインで買う。

どこでどうやって買うかまではわたしも知らない。

神はラフィアを売買するだけじゃない。

人間の生き方を賭ける。

その戦争で神と呼ばれる人から多くの人が地位を買った。ラフィアが変化した。

神は賭けた。

どちらが勝つかを

まるで、マネーゲームのように

ラフィアを売り、勝敗を賭けて多くのゲインを得た。

生き方を賭けられる人間、自分で買うことのできる人間、そして賭ける人

人の生き方は自分で決めているわけじゃなくてラフィアに委ねられる。

ラフィア=人生の選択であり、乗り物やレールのようなもの。

わかりやすく言えば、高校生は高校生のラフィアを皆背負う。白い。

進路が変わればラフィアも変わる。形も変わる。

サラリーマンはサラリーマンのラフィアを皆背負う。

少しずつ形が違う。

そう、ラフィアは生き方。

人は何もなくなった時にラフィアを売る。

神は白いラフィアを買う。そして黒いラフィアを売る。

ラフィアがなくなった人間は落ちていく。
まるで羽のように…。

きっとそれはわたしにしか見えていない。

他の人は自分のラフィアが見えていて売買しているのか…それはわからない。

わたしには自分のラフィアが見えないから。



戦争が終わって多くの人がラフィアを無くした。

家族のために売ったんだと思う。

その先にあるのは死

ラフィアはゲインでだけ売買することができる。

だから、ゲインがあればまた次のラフィアを買える。ゲインがあれば…。

神と呼ばれる人たちはラフィアを売り、買い、賭けてゲインを稼ぐゲームをする。

いつ、どこの時代から彼らが出てきたのかはわからない。だから、この文を過去に送ることはできない。送る時代が安全かわからないから。
だから、それがわかるようになったときに誰かが送るだろう。

わたしにラフィアが見えたのは五年前だから、ゲインが出来たときにラフィアも作られたのだと思う。

今では彼らの力は大きくなった。他人のラフィアの見えない人には戦争が起きたことしかわからない。

神と呼ばれる人のラフィアは黒く異質な形をしている。だれも彼らが神だとわからない。

彼らは自分たちのことを、神、と呼びあう。

わたしは今、神が仕組んだ世界に生きている。

世界では汚職が蔓延っている。ラフィアの売買は広がり白いラフィアより黒いラフィアが多くなってきた。

それが見えるわたしには、何が起こるかの予測がつく。
この状況でまた起こそうとしている。

何年か前に人生は金で買えると言った学者が消えた。あまり騒ぎにもならなかった。
事実買えるものだったから。

だからわたしが知ってることは誰にも言っていない。

わたしはこの世界を変えるために、神と呼ばれる人たちを探している

ここまでが今、わたしが知り得た情報。

神が集まる場所へ行きラフィアを作ることを辞めさせる。

黒いラフィアで地位や力を得ることをとめる。

神と呼ばれる人たちは人間がどう生きるかをかけてゲームをいまだに行っている。

地位は買うことができる。
ゲインはわたしたちが使うお金と交換ができる。

ただしそんなお金はない。だからもう一つの方法、お金がないものは

「神」と引き換えにするのは、残りの命。

わたしは今からこの世界を変えるために、今あるこのダンガンで神を撃つ。

もし、この文が安全な時代に届いていればラフィアの製造を止めて欲しい。

神を探してほしい。

これが届いた時代が、もしラフィアがすでにある時代ならわたしの計画は失敗したのかもしれない。

これがわたしが残す過去への伝言。

今日も白いラフィアを無くす人がいる。

もう一つのわたしの役目

わたしは、それをとめる。


生きることから逃がさない。

コピーしてっと…。

届いたら見つからないように。

行ってくるよ

…セレクト

…ライティング

…モード

…コピー



…完了

…ハイド

…スリープ

……オフ

よし。自動モードに切り替えた。



わたしはこの時代を壊して未来を創る