レイが近づいて来た足音で気配を察知したのか。 その美しい獣__もとい、美しい彼は、レイのことを見ていた。 冷めた、冷たい目で。 そんな、彼と数秒見つめあったあと。 レイは、ハッと現実に戻った。 「貴方!手を怪我してる!」 レイはそう言うと、彼に駆け寄った。 「手を出して。」 そう言うと、彼は。 「…は?んなことどーでもいーだろ。どっかいけよ。」 「ダメよ。貴方怪我してる。」