………でもね、それとは比べものにならないくらい、心が苦しいよ。 苦しくて苦しくて、止まったはずの涙がまた溢れてくる。 きっとなつの心が、痛いよって、つらいよって、悲鳴をあげてるんだね。 なつは、ふとあおちゃんの出会った日のことを思い出した。 あの波の音が、あの景色が。 なつの脳裏に、鮮やかによみがえる。 ───あの日、ふたりで聞いた波の音は、きっとなつの恋の始まりの合図。 なつだけの、恋の音。 そしてその恋の音は、今、こうしてバッドエンドを迎えた。