なつはバッグの中から、今日のために作った誕生日プレゼントを取り出し、それをあおちゃんに向かって力一杯投げつける。
夜更かししながら一生懸命作った画用紙のアルバムは、無残にも砂浜の上に散らばった。
……それが、今のなつと重なって見えて。
また、涙がじわじわと滲んでくる。
「………あおちゃん、好きだったよ」
なつはうわごとのようにポツリと呟くと、あおちゃんの顔を見ることもなくその場から走り出した。
「なっちゃん……っ」
切羽詰まったようになつを呼ぶ声が聞こえたけど、なつは聞こえないふりをして走り続けた。
ずっと、ずっと、島の長い長い道を駆け抜ける。
……あおちゃんは、病気で走ることができない。
それを知ってて、わざと走る足を止めないなつは酷く冷たい人なのかな。
「……っ、はぁはぁ」
しばらく走っていたせいで、喉が痛む。
息だって、ものすごく苦しくて。



