あおちゃんとの約束を叶えるために、伝えなきゃいけないことがある。


そのためだったら、誰に疎まれようが見下されようが、バカにされようがかまわない。


なつはこの身が朽ちるまで、君の生きた証を後世に伝え続けるよ。


「これで、私の講演を終わります」


なつは一礼してから堂々と前を向いた。


体育館中に鳴り響く大きな拍手が、ステージに立つなつを包み込む。


ステージから見えるみんなの表情はとても凛々しくて、晴れやかで。


ああ、講演をしてよかったな。


って、嬉しくなった。


なつは少しだけ頬を緩めると、もう一度だけ深々と礼をして、ステージ下へと続く階段を降りる。


体育館の窓から入り込む島の風が、なんだかとても気持ちよかった。