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まだ幼かったある夏の日。


『ねぇ、なっちゃん?』

『ん?なぁに?』

『人ってね、死んだらどこに行くんだろうね?』


コクッと首をかしげながら、あおちゃんがなつに問う。


『え?……んー、なつにも分からないなぁ』

『そっか……』

『あ、でもさ、お母さんが言ってた気がする。この島の子はみーんな、死んだら海に旅立つんだって』

『海……?』

『そう、海!』


お母さんが言ってたことを思い出したなつは、それをあおちゃんに伝えてあげる。


そしたらあおちゃんは、なぜだか分からないけどとても嬉しそうな顔になった。