あおちゃんと出会えたことで、なつの人生は誰よりも幸せなものだった。


誰かを愛しく思う気持ちも、守りたいと思う気持ちも。


全て、君が教えてくれた。


“ありがとう”


苦しそうな呼吸を繰り返す君に、なつは何度も叫び続ける。


そして、君に届くように、笑い続けた。


「碧……っ」


少ししてから砂浜にたどり着いた救急車。


その中から、救急隊員の人とあおちゃんの両親があわてて出てきた。


あおちゃんの両親の顔は、今にも倒れてしまいそうなくらい真っ青で。