そして、大好きな君の瞳に。 少しでも、一秒でも長く、なつの笑顔を残したい。 「あおちゃん……っ、大好きだよ……」 「俺も、な、っちゃ……が、好き、だよ……っ」 苦しみにもがくなかで、あおちゃんが少しだけ笑ってくれた。 遠くで、救急車のサイレンの音が聞こえる。 その音がどんどん大きくなっていくのと同時に、なつの胸になんとも言えない気持ちが広がった。 「ありがとう……っ」 ただひとつ、溢れてきた言葉はありがとう。