「なつの方が、大好きだもん」
「いや、なっちゃんより俺の方が大好きだよ」
「なつだって、負けてないし……っ」
ふたりでバカみたいに“大好き”と言い合って、こうしてぎゅっと抱きしめ合って。
なんて、幸せなんだろう。
生きてることに、あおちゃんのそばにいられることに、ふたりで笑い合えることに。
こんなにも幸せを感じたのは、今日が初めてかもしれない。
「ねぇ……なっちゃん。聞こえる?」
幸せに浸ってそっと頬を緩めたなつの耳元で、囁くようにあおちゃんが言った。
「……なにが?」
「波の音。この波の音を聞いてるとね、生きてるなって、思わない?」
この台詞、どこかで……。
「……っ」
そこで、やっと気がついた。
このやりとりは、なつたちが初めて出会った日のやりとりだということに。



