「お願いします……。私と主人が話を聞いている間だけでも……。お願いします……っ」 「……え、だけど」 「どうか……お願いします。碧の願いを、叶えてやりたいの……」 あおちゃんの主治医の先生とお母さんに向かって、もっと深く頭を下げたあおちゃんのお母さん。 その体は、心なしか小さく震えているように見えた。 「……僕からも、頼みます」 今にも崩れてしまいそうなあおちゃんのお母さんを支えるように腰に手を回し、深々と頭を下げたのはあおちゃんのお父さん。