それと同時に床に滴り落ちた、無数のしずく。


人って、こんなにも変わっちゃう生き物なんだね………。


病気って、こんなにも恐ろしいものだったんだね………。


今になってそれを知るなつは、本当にバカだよね。


「ね……っ、あおちゃん……」


なつは、必死であおちゃんに向かって手を伸ばした。


その手があおちゃんの頬に少しだけ触れる。


「ごめんね……っ」


ひとりにして、ごめんね。


苦しかったよね、つらかったよね。


きっと、なつには想像できないくらい、もがいたんだよね。


………本当にごめん。


頼りにならない彼女で、本当にごめんなさい。