夏色の約束。~きみと生きた日々~



そんな気持ちでもう一度あおちゃんに目を向ければ、あおちゃんはなつの瞳をまっすぐ見つめてきた。


いつもの可愛らしい少年の顔つきじゃなくて、男らしい顔つきに変わったあおちゃんのその表情に、なつは思わず見とれてしまう。


「なっちゃん。今から俺が言うこと、嘘じゃないから。全部、俺の本当の気持ちだからね」

「……うん」

「だからなっちゃんも、俺に流されないで、自分でよく考えてみて」

「……ん」


あおちゃんは少し俯いて、その場で小さく深呼吸をしたかと思うと、なつの手をぎゅっと握って、


「俺は、なっちゃんと結婚したい」


今まで見たこともない真剣な表情で、そう言いきった。