「碧、菜摘ちゃんを、大切にするのよ」
「……っ、ん」
「生きるの。碧は、生きるの。菜摘ちゃんを悲しませるなんて、母さんが許さない。生きて、菜摘ちゃんと幸せになりなさい」
「……ん。俺、生きるよ。生きて、なっちゃんとずっと一緒にいる。俺が、なっちゃんを幸せにしてみせる」
「……うん…っ、よく言った、碧!それでこそ、母さんの自慢の息子だ……っ」
あおちゃんのお母さんは、顔をぐしゃぐしゃに歪めながら泣いていて、震える右手であおちゃんの頭をくしゃっとなでた。
「菜摘ちゃんも、碧のことよろしくね」
そう言って涙ながらに微笑むあおちゃんのお母さんの笑顔がとてもきれいで、優しくて。
なつはその言葉をしっかりと胸に刻み込んで、力強く頷いた。
そしてこのとき、なつは初めて気付いたんだ。



