「わぁっ、綺麗だね…!」


「圧巻だな。」


二人でツリーを見上げる。


大きなクリスマスツリーには、たくさんの色とりどりのイルミネーションライトがつけられていて…


まばゆい光が無数に輝いている。


夜空に優しく映えるツリーは、とても素敵で見惚れてしまった。



「柚、あそこにベンチがあるから、座ってゆっくり見ねぇか?」


蓮が指差す先には、アンティーク調のオシャレなベンチ。


コクンと頷くと、蓮と一緒にベンチに腰掛けた。


時間が少し遅いからだろうか…。


ツリーを見に来ている人は疎らだ。


でも、その分…とても静かで幻想的な世界が広がってるような気がした。


「好きな女と、こうして綺麗なクリスマスツリー見られるなんて、一年前の俺には想像出来なかったな。」


「私もだよ。好きな人と一緒に過ごせるクリスマスが来るなんて、去年は思ってなかったから…。」


二人で顔を見合わせて笑う。


ぴったりと触れ合っている私と蓮。


白い息が出るほど寒いのに、不思議と体は温かい。