“ピンポーン”


またしても鳴り響くインターホンの音。


構わず柚にキスを落とす。


“ピンポーン、ピンポーン”


「ねぇ、蓮っ…!早く出た方が…いいよ…。」


肩を大きく上下させて呼吸しながら、柚が促す。


「…そうだな。」


俺は渋々ながら柚から離れた。


無視してやり過ごそうと思ったけど、何度も鳴らされると、こっちも集中出来ない。


柚も気になって仕方ないみたいだし、ひとまず中断するか…。


ったく、せっかく良い雰囲気になってたのに、誰だよ…邪魔するヤツは。


まさか、陸都?


それとも、得体の知れないセールスとか…?


いずれにしろ、俺と柚の邪魔した罪は重い。


イラつきながら玄関へと向かう。


怒りにまかせて、勢いよくドアを開けた。