スッと立ち上がった俺は、そのままキッチンへ。


野菜を切り終わって、ちょうど包丁を置いた柚。


その華奢な背中を後ろから包むように抱き締めた。


「きゃっ、ちょっと…蓮!?」


当然ながら、柚は驚いて体をビクッと震わせる。


「いきなり、どうしたの?」


「柚の背中見てたら、抱き締めたくなった。」


「私、料理してるから…終わった後にしようよ。それまで、蓮はリビングでくつろいでいて?」


「今がいい。」


腕の中でモゾモゾと動く柚に構わず、ギュッと抱き締め続ける。


「蓮、ツリーの飾りつけをした後も、抱き締めてたでしょ…?」


「ああ。だけど、もう柚不足。」


「えっ!?」


驚いた表情で、俺の方に振り向いた柚。


すかさず、その唇を奪った。