柚の誘いに、もちろんOKした俺。


嬉しそうな柚を見ていたら、つられて笑顔になった。


こんなに、クリスマスが楽しみ…だと思えるのは、初めてだ。


柚との放課後デートを終えて家まで送り届けた後、心を弾ませながら帰宅する。


部屋で一息ついていると、制服のポケットに入れていた携帯電話が鳴った。


もしかして、柚!?


一番最初に浮かぶのは、いつも決まって彼女のことだ。


慌てて取り出して画面を確認すると、相手は柚ではなく、おふくろだった。


なんだ、おふくろかよ…。


「……もしもし?何か用?」


『あら、蓮?今日は仕事が珍しく早く終わったものだから、久々に電話してみたの!元気?』


素っ気なく電話に出ると、元気そうなおふくろの声が聞こえてきた。


「元気だよ。」


『柚ちゃんも元気?交際は順調なの…?見捨てられたりしてないわよね…?』


「ゆ、柚も元気だ。順調に付き合ってるし、見捨てられてなんかいねぇよ。」


ったく、久しぶりの電話で何てこというんだ、おふくろ。