しばらく歩くと、一軒の民家についた

最近は田舎でも、新しい家が増えている

その中で、おばあちゃんの家は、うんと古かったけど、安心するような雰囲気があった


「ごめんねこんな古いうちで」


おばあちゃんは切なそうに笑った


そして、僕の部屋に案内してくれた

その部屋は、僕が両親とともに田舎に泊まりにくると、必ずと言っていいほど使わせてもらっている部屋だった


畳に寝転んでみる


懐かしい畳の感触は都会の喧騒や悪意を忘れさせてくれた


「翔ちゃーん」


1階から、おばあちゃんの僕を呼ぶ声が聞こえた


急いで畳から起き上がり急な階段をおりて行く



そこには菜切り包丁を片手に夕飯の支度をしているとおばあちゃんがいた


「お夕飯までちょっと時間があるから、外に遊びに行っておいで」

包丁をおいて、こっちを振り向いてゆっくり話す


「うん!行ってくる!」


部屋の中にいるのも飽きたし、電車の中で座ってばかりいたから、外に出たかった