「なんだったんだ?今の」
呆然と、さっきまで緑のものがいたところを見た
「翔太」
びくっ!
突然後ろから声がかかる、さっきまでずっと探していたチヨの声だ
「びっくりした 、チヨか」
「なんだ、人がせっかく探しに来てやったというのに」
「探しに?」
「突然後ろから消えたと思ったら、こんなところで何ちんたらしてるんだい」
「ごめんなさい」
「まぁいい、見つかったんだ、睡蓮のところにいくぞ」
「うん」
「ここら辺は覚(サトリ)が出るからの」
チヨは、あーやだやだとでも言うように、顔をしかめた
「覚って?」
「あぁ、全身緑の山男で、死ぬ間際に良くない予言をするやつだ」
さっきのやつだ
よくない予言
あれは予言なんだ
【僕に不幸と災厄がやってくる】
背筋が凍った
いやいや、予言なんか。信じられるか
そう思うことにして、僕はチヨに続いてあるきだした



