殺し屋視点

最近いつもあの子のことを考える。

あの後俺は泣きつかれて眠りに落ちた君を屋敷の部屋まで送り届けた。

俺に誰かを想う資格なんてない。

だけど俺は・・・。



俺の家は古くから続く殺し屋で俺はそこの長男に生まれた。
生まれた時から俺は殺しを強要されて育った。

最初は嫌だったんだ、でもだんだんと感情のコントロールができ始めいつの間にか人を殺す時には感情を消すことができ何の抵抗も感じなくなった。

人を殺すたびに慣れを実感する。

終わってからの虚しさ、孤独、自分に宿る闇、この体に流れる殺し屋の血。

逃げられない、避けられない、全てに吐き気がする。



そんな時君に出会った。

俺と似たような境遇の君は俺なんかよりもずっと強くて明るくて・・・。

闇の中でも光になっていた。

でもそれは見かけだけだと気付いた時俺は



       
  君を守りたいと思ったんだ。