教室に入ると、同じクラスの古谷さんが近づいて来る。

今は来て欲しくないなぁ。


「おはよう、火那ちゃん」

「おはよう、ゆっこちゃん。
どうしたの?」

「ーーー?何も無いよ?何で?」

「空気を悪くして早くどこかに行って貰おうと思ったの」なんて、言えるはずがない。

「いや、別に」と、言葉を濁して、あたしは早々に人気のない場所へと逃げ込んだ。




早く、猫を連れ戻さなきゃ。