愕然として何の行動も起こせないままに、晩御飯の時間が来てしまった。


琉から「今から晩御飯食べにそっち行くね」といつものように電話が来て、やっと、晩御飯の用意をしてなかったことに焦りを感じる。


あたしはいつものように玄関の鍵を開けておいて、その後台所へ駆け込んで何か簡単なものを作ろうと、立ち上がった。



玄関まで行って、ドアに触れる。



すると、いつの間にか帰った、借金を取り立てに来ていた人達の声を思い出す。





「ーーーいやっ!!」


あたしは耳を塞いで玄関にしゃがみ込んだ。