「すいません、天ノ川先輩いますか?」

放課後、あたしは琉を呼びに3年生の教室の方に行く。


手近な男の人に声をかけると、すぐに琉を呼んできてくれた。


「ありがとうございます」


丁寧に頭を下げてそこから去る。


「いやに丁寧だな、俺の時と違って」

人気が少なくなったところで、琉が嫌味を言う。


「琉は特別よ。
今更他人行儀にしたってでしょ。
……ってか、こんな恥ずかしいこと言わせないで」


口に出すのが恥ずかしすぎる内容じゃない。

琉はほんとに乗せるのが上手すぎる。