住宅街に入って人気が無くなった。 変わりに、知らない人の家から漏れる温かい部屋の光や、声。 美味しそうなご飯の匂いも流れてくる。 こんな時、あたしはいつだって少し悲しくなるんだ。 ふっと琉を盗み見ると、彼も同じなのか、下を向いて歩いていた。