"好き"



「かな、ちょっと話があるんだけど」

その一言が発せられたのは、集まりの次の日の朝。


あたし達はかなり早起きだから、時間はまだたっぷりある。


あたしは最後の身支度である、髪の毛をまとめるという作業をしながら、「いいよ」と言った。



「あのさ…」


琉はかなり言いにくそうだった。


「ん?」


それを促したのは、あたし。






何を告げられるかも、考えずに。


その言葉が、その琉の態度が、何を意味するかすら考えずに。